合同会社という名前を聞いたことがあるかもしれません。これは旧商法が改正となり会社法で新たに規定された会社のことで、持分会社のひとつです。平成18年5月から設立できるようになったわけですが、今、会社を設立するというと株式会社ですので、まだあまり耳慣れない会社だと思います。
合同会社がどんな会社なのか、株式会社と比較してみましょう。
① 有限責任であること
これは株式会社と同じです。出資したお金や財産の範囲でしか責任を負わないですみます。
② 社員は1人でも、出資は1円でもよい
これも株式会社と同じです。ただし、社員というのは株主や役員のことです。会社の従業員という意味ではありません。
③ 人的多数決であること
株式会社の多数決は出資の数によりますが、合同会社の場合は社員の人数で決めます。
④ 出資した者が経営に参加する
株式会社では、出資者(株主)でなくとも経営に参加できますが、合同会社では出資せずに経営に参加することはできません。
⑤ 設立、運営のコストが安くてすむ
設立の際の費用が、株式会社では最低20万数千円(電子定款の場合)、合同会社の場合は最低6万円です。(電子定款の場合)
⑥ 役員の任期がない
株式会社の役員の任期は最長10年までですが、合同会社の役員任期はありません。
⑦ 剰余金分配制限がない
株式会社では、純資産額が300万円未満の場合には、剰余金の分配をすることができないという制限がありますが、合同会社にはありません。また、定款で定めれば出資比率と異なる剰余金の分配をすることができます。
⑧ 決算公告をしなくてすむ
合同会社の場合、株式会社のように決算公告をする義務がありません。
⑨ 対外的な信用度が株式会社ほどではない
いまだに認知度の点で劣っていることからもわかるように、合同会社の信用度はまだまだというのが実情です。
新たに会社を設立する際に、株式会社か合同会社にするか迷ったら以上の点を参考にしてみてください。