排出事業者(元請業者)の管理体制と役割

排出事業者は、建設廃棄物を適正かつ計画的に処理するために、本社、支店、作業所(現場)等における関係者の責務と役割を明確にし、社内管理体制を整備しなければなりません。

以下、それぞれの役割と責務について例示しましたので参考にしてください。

本社の責務と役割

本社は、廃棄物対策の方針を定め総括指導を行い、以下の業務を実施します。

  1. 基本方針の決定
  2. 管理組織の整備
  3. 管理規定・処理マニュアルの整備
  4. 教育・啓発
  5. 法令・行政庁の指導内容等の周知
  6. 処理実績の把握

支店の責務と役割

支店は、廃棄物処理総括責任者を定めるとともに、廃棄物処理に関する支店方針を定め、作業所(現場)指導、下請負人の指導・育成、処理委託等に関し以下の業務を行います。

  1. 支店方針の決定
  2. 職員・下請負人の教育・啓発
  3. 処理業者・再資源化施設の調査、選定
  4. 委託基本契約の締結
  5. 作業所(現場)実務の支援、指導
  6. 処理実績の集計、記録の保存

作業所(現場)の責務と役割

作業所(現場)は、廃棄物処理責任者を定め、建設廃棄物の適正処理のため以下の業務を行います。

  1. 作業所(現場)方針の策定
  2. 廃棄物処理計画の策定
  3. 委託契約の締結
  4. マニュフェストの交付・管理又は電子マニフェストの登録
  5. 処理業者の監督
  6. 処理状況の確認
  7. 処理実績の記録、支店への報告
  8. 下請負人の監督・指導

なお、以上はあくまで例ですので、社内管理体制の整備および責務と役割は、排出事業者の規模に応じ適正なものとしてください。

処理の記録と保存

排出事業者は、廃棄物の適正な管理および再生利用等による減量化の目標設定などのために、作業所における処理実績を把握するとともに、処理を記録し保存しなければいけません。

処理の記録と保存方法の例として以下を参考にしてください。

作業所(現場)の廃棄物処理責任者は、建設廃棄物の処理実績を記した報告書を月ごとに作成し、支店の廃棄物処理総括責任者は、作業所から送付された建設廃棄物実績報告に基づき月々の処理実績の集計を行う。

処理実績、委託処理した場合における委託契約書等は、工事完了後5年間保存する。

マニフェストに関する記録を作成し、委託終了後、廃棄物処理法に基づきマニフェストの写しを5年間保存する。ただし、電子マニフェストを使用する場合、データの管理は情報処理センターが行うため電子マニフェストで登録したものについては保存は不要です。