処理と処分

廃棄物処理法で使われるよく似た言葉で「処理」と「処分」がありますが、この使い方は少しややこしいです。どういうことかとかというと、「処理」という言葉は、廃棄物の処理行程全般の指す言葉ですが、「処分」というのはその一部である「中間処理」「再生」「最終処分」のことをいいます。

廃棄物は、「発生」⇒「分別」⇒「一時保管」⇒「収集運搬(積替保管)」⇒「中間処理(再生)」⇒「収集運搬」⇒「最終処分」というプロセスをたどりますが、この一連の工程が「処理」なのです。

一方「中間処理」と名づけられていますが法律上は「処分」になるのです。つまり廃棄物処理法における廃棄物の「処理」とは、発生した廃棄物の分別・保管から最終的な処分が終了するまでのすべての行為をいい、繰り返しますが「処分」というのはその一部である「中間処理」「再生」「最終処分」のことをいうのです。

分別と保管

産業廃棄物であれ一般廃棄物であれ、廃棄物処理の第一歩は「分別」と「保管」です。

分別とは廃棄物を処理しやすいように分けることをいいます。産業廃棄物の分別は、「紙くず」「金属くず」など廃棄物の種類ごとに行います。その際、素材が複合されているものなど、分けることが困難な廃棄物は「混合廃棄物」として、種類ごとに分別された廃棄物とは別の扱いをします。

分別された廃棄物は、収集運搬業者が回収に来るまでは、排出事業所の一画に一時保管することになります。この保管については、施行規則に保管基準が定められています。保管基準の主なものは次のとおりです。

☑保管場所の周囲には囲いを設けること

☑保管場所にはその旨を記した看板を設置すること

☑ねずみおよび蚊、ハエその他の害虫の発生防止措置をとること

☑汚水が発生する場合は排水溝等を設置、床面を不浸透性の材料で覆う

☑屋外で容器を用いずに保管する場合、高さの制限を超えない

☑産業廃棄物が飛散し、流出し、地下浸透し、悪臭が発散しないようにすること

この保管基準の違反すると、まず自治体から改善命令が出され、それに従わない場合に罰則が適用されます。なお、排出事業場での保管に関する規則は産業廃棄物だけに課され、一般廃棄物には課されません。

なお保管場所には建物の内外を問わず、看板の設置義務があります。それがたとえ建設現場のような一時的保管場所であっても表示しなければなりません。