建設廃棄物の排出事業者である元請業者は、その処理計画を立てなければいけません。その際、本社、支店又は営業所、作業所(現場)それぞれの立場で処理計画について考えなければいけません。

このうち実際に処理を行う作業所(現場)における処理計画の考え方を以下に示しておきます。

処理計画の考え方

1.発生抑制

  • 設計・施工を方法を検討して廃棄物の発生量を可能な限り少なくする。
  • 発生量については、発注者の工事仕様によるところが極めて大きいので、場合によっては、元請業者が発注者に対し設計変更を求めることも必要である。
  • 廃棄物となるものを発生させないために、工場加工化や梱包材の簡易化について下請負人、メーカー等と打ち合わせを行う。

2.分別

  • 現場における分別は、再生利用が可能なものと廃棄物として処理すべきものに分ける意味と廃棄物を処分先ごとに区分する意味とがある。
  • 再生利用可能なものとしては、金属くず、木くず、ダンボール、アスファルト・コンクリート破片、コンクリート破片、ロックウール吸音板、ロックウール保温材、ALCボード、石膏ボード等があり、地域に受け入れ先がある場合には分別排出することにより再生利用される。
  • 安定型最終処分場に搬入する際に、安定型産業廃棄物とそれ以外の廃棄物を混入させないように分別する。
  • 焼却処分に際し可燃物を分別収集する。
  • 現場内で分別する廃棄物の種類、分別方法、容器等について検討する。

3.再生利用

  • 発生したものは、できるだけ場内利用し、場内で利用できない場合にも再生利用個別指定等の活用や再資源化施設へ搬入することを検討する。

4.減量化

  • 廃棄物として処理する場合にもできるだけ焼却、脱水などの中間処理により減量化に努める。

5.保管・施設の設置

  • 現場内保管、産業廃棄物処理施設設置については、廃棄物処理法に定める基準に従う。
  • 一定規模以上の処理施設を設置する場合には設置許可が必要。
  • 現場外保管については、一定規模以上の場所で行う場合には、都道府県知事等への事前届出が必要。
  • 解体工事等において吹き付け石綿等を除去する場合には、特別管理産業廃棄物としての処理を計画しなければならない。

6.委託処理

  • 廃棄物処理業者に処理を委託する場合には、廃棄物処理法に定める委託基準に従う。
  • マニフェスト又は電子マニフェストを用いることにより現場から排出される廃棄物の処理の一連の流れを管理する。

排出事業者(元請業者)の計画と管理

建設廃棄物の排出事業者(元請業者)は、建設廃棄物の最終処分量を減らし適正に処理するため、施工計画時に発生抑制、再生利用等の減量化や処分方法並びに分別方法について具体的な処理計画を立てる必要があります。

処理計画の作成

処理計画の作成に当たっては、次の点に留意する必要があります。

  1. 建設工事に係る廃棄物の処理方針(作業所方針)を立てる。
  2. 発注者及び処理業者と事前に十分打合せを行う
  3. 建設廃棄物の発生量を予測する。
  4. 施工方法、資材を検討し、廃棄物の発生を抑制する。
  5. 発生するものについては、できるだけ再生利用を図る。
  6. 再生利用できない場合には、中間処理による減量化を検討する。
  7. 廃棄物として処分するものについては、適正な保管・収集運搬・処分の方法を選定する。特に、建設混合廃棄物を排出する場合は、選別設備を有する中間処理施設又は管理型最終処分場において処理を行う。
  8. 処理方法に応じた現場内での分別方法について検討する。
  9. 処理を委託する場合には、委託する処理業者の許可内容等を確認する。

そして、施工中は、処理計画に従った処理が実行されるように、管理体制を整えて現場の運営に当たるとともに、下請負人等の関係者に周知します。

処理計画と実施状況の報告

また、多量に廃棄物を生ずる事業者は、次のとおり処理計画を作成し、処理の実施状況を都道府県知事等に提出しなければなりません。

1.市長村長から一般廃棄物の減量に関する計画の作成の指示を受けた事業者にあっては、その一般廃棄物の減量に関する計画等
を作成しなければなりません。

2.前年度の産業廃棄物の発生量が1,000トン(特別管理産業廃棄物にあっては50トン)以上である事業場を設置している
事業者は、産業廃棄物の減量その他適正な処理に関する計画を作成し、当該年度の6月30日までに都道府県知事等に提出す
るとともに、翌年度の6月30日までにその計画の実施状況を報告しなければなりません。