これから起業しようとする人の中には、個人でやるか会社を設立するか迷う方もいらっしゃると思います。そこでまず個人事業のメリットについてお話ししてみたいと思います。

☑個人事業のメリット

1.開業の手続きが簡単
会社を設立する際には定款を作成し登記するなどの手続きが必要でお金もかかりますが、個人事業の場合は必要ありません。本人のみで開業する場合には以下のものを提出するだけで済みます。

  • 個人事業の開廃業等届出書⇒管轄の税務署
  • 事業開始等申告書⇒都道府県税事務所、市区町村役場の税務課

2.開業後の手続きが簡単
会社の場合は、会社法という法律で決められたルールに則って会社を運営していかなければなりません、例えば、重要な事項を決めるときや役員が交代したり任期が満了したときには株主総会等の決議が必要です。法務局で役員の登記もしなければなりません。個人事業の場合はそれらがありません。

また経理面では、会社の場合には決められた会計基準に基づいて行わなければなりませんが、個人事業の場合は、より簡単な方法で処理することができます。

3.コスト面で有利
税金面では、赤字のときには株式会社は住民税の均等割り7万円を毎年支払わなければなりませんが、個人事業は4千円で済みます。(ただし、会社の資本金の額が1千万円以下、かつ従業員50人以下の場合)

また、個人事業の場合、税務署に青色申告をすると、特別控除額(10万円又は65万円)があり、この部分には税金がかかりません。しかし、株式会社の場合には青色申告をしてもこのような控除はありません。

社会保険(健康保険や厚生年金)については、株式会社は社会保険の加入が強制されるので、会社が従業員の社会保険の半額を負担しなければいけません。

その点、個人事業においては、従業員が5人未満の場合には社会保険の加入は強制されません。ですので経営者が従業員の社会保険料の半額を負担する必要はありません。各自が国民健康保険、国民年金に加入することになります。(ただし、従業員の半数以上が社会保険の適用事業所になることを同意した場合には、任意適用申請ができます。)

以上のように、総合すると個人事業のメリットとは、面倒な手続きもあまりなく、お金もその分かからず簡単に起業できるということです。